「今年一番のエアドロップ」と絶賛されたプロジェクトをご存知でしょうか? それが、Hyperliquid(ハイパーリキッド)です。
2024年11月、約10万人のユーザーに対して 総額16億ドル(約2,400億円)相当 という桁外れのトークン配布を行いました。しかも、VC(ベンチャーキャピタル)への配分はゼロ。全てがコミュニティと開発チームに還元されるという「高潔さ」で、一躍ヒーローとなりました。
しかし、ただ気前が良いだけではありません。技術的にも「DEX(分散型取引所)の常識」を覆すスペックを持っています。 今回は、この「次世代DEXの覇者」の強みと、その裏に潜むリスクについて解説します。
なぜHyperliquidはすごいのか?

既存のDEX(dYdXやUniswapなど)には「遅い」「手数料が高い」「板取引ができない」といった弱点がありました。 Hyperliquidは、「DEX専用の独自ブロックチェーン(Layer 1)」 をゼロから作ることで、これらを解決しました。
- 爆速の取引速度: 注文が通るまでわずか0.2秒。BinanceなどのCEX(中央集権取引所)と変わらないサクサク感です。
- 完全オンチェーン: 注文板(オーダーブック)のすべてがブロックチェーン上にあります。透明性が高く、不正ができません。
- ガス代ゼロ: 取引にかかるガス代(手数料)は無料です。
これらの技術により、一時はDEX全体の シェア66% を獲得するほどの圧倒的な支持を集めました。
HYPEトークンの魅力:VCの売り圧がない

独自トークン「HYPE」の設計も非常にユニークです。
- VC配分ゼロ: 初期の安い値段で買った投資家がいません。つまり、「上場直後にVCが大量に売り抜けて暴落する」という、よくある悲劇が起きません。
- 強力なデフレ: プロトコルで稼いだ収益の 93% を使って、市場からHYPEを買い戻し(バイバック)しています。稼げば稼ぐほど、トークンの価値が上がりやすい仕組みです。
光があれば影もある:2つの重大リスク

「最強」に見えるHyperliquidですが、調査レポートでは深刻な懸念点も浮き彫りになっています。
1. 実は「中央集権的」?
DEX(分散型)を謳っていますが、ネットワークを支えるバリデータ(ノード)はわずか 16〜21個 しかありません(イーサリアムは80万以上)。しかも、その多くを運営財団がコントロールしていると見られています。 ⚠️ もし運営が悪意を持てば、資産を凍結したり操作したりすることが技術的に可能な状態です。
2. セキュリティ監査が不十分
驚くべきことに、⚠️ 心臓部であるブロックチェーンのコードは公開されておらず、主要なセキュリティ監査も受けていません。 「まだ開発途中だから」という理由ですが、数兆円規模の取引を扱うプラットフォームとしては、大きなリスク要因です。
まとめ:投資判断のポイント

Hyperliquidは、間違いなく「技術と理想」を兼ね備えた革命的なプロジェクトです。
- 強み: CEX並みの性能、フェアなトークン設計、圧倒的な収益力。
- 弱点: 正直まだ「分散型」とは言い難い中央集権的な構造と、セキュリティの不透明さ。
HYPEトークンは非常に魅力的ですが、背後にあるリスクも理解した上で、ポートフォリオの一部として検討するのが賢明でしょう。 「本当の分散化」を成し遂げられるかどうかが、今後の最大の注目ポイントです。